日本の外務省が毎年発表している「海外在留邦人数調査統計」には、海外に暮らす日本人(邦人)の数が載っています。その中から、本記事ではウクライナ在留日本人の数の推移について見ていきます。
ウクライナ在留邦人数の推移
2011年から2022年までのウクライナ在留日本人の推移は下記の通りです。

出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」
200〜240名の間で長年推移してきましたが、2022年のロシアによる全面侵攻を受けて、一気に2022年は51名まで減りました。なお、2023年は、安全の観点から、ウクライナ在留邦人数のデータは公表されませんでした。
その中で、2018年の統計を見てみます。2018年は、ウクライナ全土での邦人数は217名。その内訳は以下の通り:
- 男性は114名、女性は103名
- 永住者は22名(男性11名、女性11名)、長期滞在者は195名(男性103名、女性92名)
- 長期滞在者のうち、民間企業関係者52名(本人25名、同居家族27名)、報道関係者0名、自由業関係者23名、留学生・研究生・教師35名(男性14名、女性21名)、政府関係職員44名(本人29名、同居家族15名)、その他41名(本人24名、同居家族17名)
- 年齢別では、20歳未満が67名、20歳代が22名、30歳代が41名、40歳代が53名、50歳代が21名、60歳以上が13名
また、邦人の地域別の分布は次のとおり:
- チェルカースィ州:3名
- チェルニーヒウ州:1名
- クリミア自治共和国:2名
- トニプロペトロフスク州:9名
- ドネツク州:1名
- イヴァノ・フランキーウシク州:1名
- ハルキフ州:5名
- ヘルソン州:1名
- キエフ州・キーウ市:170名
- リビウ州:5名
- ムィコラーイウ州:1名
- オデッサ州:14名
- スーミィ州:1名
- テルノーピリ州:1名
- ザポリッジャ州:2名
- 次の州または市は0名:チェルニフツィ州、フメリティツィクィイ州、キロヴォフラード州、ルハンスク州、ポルタヴァ州、リヴネ州、セバストポリ(特別)市、ヴィーンヌィツャ州、ヴォルィーニ州、ザカルパチア州、ジトームィル州
実際の日本人の数は?
海外在留邦人数調査統計には、下記のような記述があります(一部のみを抜粋):
1 統計の目的
本調査統計は、海外における邦人の生命及び身体の保護その他の安全に資するため、旅券法の定めにより在外公館(日本国大使館、総領事館、領事事務所)に届出されている「在留届」を基礎資料として、各年10月1日現在の海外在留邦人の実態(所在の確認、緊急時連絡先の変更の有無等)を把握するために行うものです。
2 調査の方法
本統計は、わが国在外公館が令和5年(2023年)10月1日現在、それぞれの管轄区域(兼轄国及び属領も含む) 内に在留する邦人数を推計したものです。 在留邦人数の推計に際しては、 前記のとおり「在留届」を基礎資料として利用しましたが、「在留届」を届出・更新していない邦人も多数いることが想定されるため、 日系企業、 日本人会等に「在留届」の届出・更新の周知への協力を求めています。
3 調査の対象
在留邦人数調査の対象は、海外に在留している日本国民(重国籍者を含む)です。
(1) 在留期間が3か月に満たない旅行者等短期滞在者は、対象から除外しています
(2) 本調査における「永住者」とは(原則として)当該在留国等より永住権を認められており、生活の拠点をわが国から海外へ移した邦人を、「長期滞在者」とは3か月以上の海外在留者のうち、海外での生活は一時的なもので、いずれわが国に戻るつもりの邦人を指します。
出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」
上記を総合しますと、ウクライナ滞在が3ヶ月未満の方や、在留届を提出しておらず大使館に把握されていない方は海外在留邦人数調査統計には含まれていない可能性があります。