ウクライナの2024年の輸出先相手国トップ10を紹介

ウクライナ国家統計局は2025年2月、2024年のウクライナの貿易統計の速報値を発表しました。本記事では、この貿易統計に基づき、2024年にウクライナがどのような国に商品を輸出しているのかを見ていきます。

※以下の輸出の統計は、商品の輸出入をもとにしたものであり、サービスの輸出は含みません。

2024年の輸出相手国ランキング

1位 ポーランド

1位は前年に引き続きポーランドであり、ウクライナはポーランドに前年比で1%減となる47億891万ドルを輸出しました。

主なポーランド向けの輸出品目:

  • 鉄鋼:16%、7億5202万ドル(前年比29.3%減)
  • 植物由来の脂質および油:13.7%、6億4645万ドル(4.8%増)
  • 鉱石・スラグ・灰:10.7%、5億369万ドル(41.5%増)
  • 電気機械:8.1%、3億8273万ドル(71.8%増)
  • 木材・木材製品:6.4%、3億104万ドル(6.1%増)
  • 穀物:0.4%、1877万ドル(90.8%減)

2位 スペイン

2位はスペインで、前年比で42.6%の大幅な増加となり、28億6345万ドルを輸出しました。前年の6位から大きく順位が上がりました。

主なスペイン向けの輸出品目:

  • 穀物:67%、19億1728万ドル(前年比34.7%増)
  • 植物由来の脂質および油:21.3%、6億1109万ドル(143.9%増)

3位 ドイツ

3位はドイツで、前年の5位から2つ順位を上げました。輸出は前年比40.7%増となる28億4075万ドルを記録。

主なドイツ向けの輸出品目:

  • 油脂植物の種子と果実:28.9%、8億2140万ドル(前年比80.4%増)
  • 電気機械:19.5%、5億5485万ドル(86.7%増)
  • 家具:6.4%、1億8190万ドル(9,8%増)

4位 中国

4位は中国で、前年の3位からワンランクダウンとなりました。輸出は、前年比0.5%減となる23億9384万ドルでした。

主な中国向けの輸出品目:

  • 鉱石・スラグ・灰:42.7%、10億2225万ドル(前年比1065.1%増)
  • 穀物:31.9%、7億6372万ドル(33.7%減)
  • 食品産業の残留物と廃棄物:13.6%、3億2529万ドル(6.9%減)
  • 植物由来の脂質および油:6.5%、1億5544万ドル(75.1%減)

5位 トルコ

5位はトルコで、こちらも前年からワンランクダウン。輸出は前年比で6.8%減少となる22億796万ドルでした。

主なトルコ向けの輸出品目:

  • 穀物:33.8%、7億4597万ドル(前年比25%増)
  • 植物由来の脂質および油:16.4%、3億6157万ドル(57.2%減)
  • 油脂植物の種子と果実:11.9%、2億6257万ドル(30.4%減)
  • 鉄鋼:8.1%、1億7967万ドル(81.2%増)

6位 オランダ

6位はオランダで、前年比33.5%と大幅な増加となり、19億9037万ドルを記録し。前年の8位から2つランクアップしました。

主なオランダ向けの輸出品目:

  • 穀物:27.3%、5億4299万ドル(前年比52.7%増)
  • 植物由来の脂質および油:23.7%、4億7239万ドル(27.6%増)
  • 油脂植物の種子と果実:21.4%、4億2635万ドル(95.7%増)
  • 肉および畜産副産物:11.2%、2億2292万ドル(15%減)

7位 イタリア

7位はイタリアで、前年から順位は変わらず。前年比で25.9%の増加で、19億3565万ドルの輸出を記録しました。

主なイタリア向けの輸出品目:

  • 穀物:32.4%、6億2756万ドル(前年比12.5%増)
  • 植物由来の脂質および油:22.2%、4億2984万ドル(85.2%増)
  • 鉄鋼:11.3%、2億1914万ドル(23.8%増)

8位 ルーマニア

8位はルーマニアで、前年の2位から大きくランクダウン。53.2%減となる17億6203万ドルでした。

主なルーマニア向けの輸出品目:

  • 植物由来の脂質および油:27%、4億7621万ドル(前年比52.4%減)
  • 鉄鋼:9.9%、1億7435万ドル(24%増)
  • 木材・木材製品:6.9%、1億2234万ドル(3.5%減)
  • 電気機械:3.4%、6015万ドル(17.6%減)
  • 鉱石・スラグ・灰:3.4%、5967万ドル(61.4%減)
  • 油脂植物の種子と果実:3.4%、6059万ドル(85.4%減)
  • 穀物:2%、3580万ドル(96.6%減)

9位 エジプト

9位はエジプトで前年から1つ順位を上げました。輸出は、前年比50.8%と大幅な増加で、16億3638万ドルを記録しました。

主なエジプト向けの輸出品目:

  • 穀物:55.3%、9億456万ドル(前年比35.8%増)
  • 油脂植物の種子と果実:19.2%、3億1429万ドル(1.5%増)
  • 鉄鋼:10.9%、1億7806万ドル(1519.3%増)
  • 植物由来の脂質および油:8,9%、1億4494万ドル(171.2%増)

10位 ハンガリー

10位はハンガリーで前年から1ランクダウン。前年比2.8%の微減で、11億5205万ドルでした。

主なハンガリー向けの輸出品目:

  • 電気機械:56.2%、6億4703万ドル(前年比35.7%増)
  • 食品産業の残留物と廃棄物:7.8%、8948万ドル(18.4%増)
  • 木材・木材製品:5.6%、6505万ドル(6.2%減)
  • 穀物:2.1%、2439万ドル(87.1%減)

ちなみに日本は何位?

日本は2024年のウクライナの輸出相手国ランキングでは、65位でした。前年比8.1%増であり、輸出総額は3788万ドルでした。

日本への主な輸出品目は次のとおり:

  • アルミニウムおよびその製品:33.5%、1268万ドル(前年比70.4%増)
  • 穀物:25%、948万ドル(25.1%減)
  • 乳・乳製品・鶏卵・蜂蜜:8.3%、315万ドル(309.8%増)
  • 野菜加工品:6.1%、231万ドル(1601.4%増)
  • 木材・木材加工品:4.5%、172万ドル(14.6%減)

2024年のウクライナの輸出相手国の特徴は

2022年〜2023年は、戦争の影響により、オデーサ港を通じた黒海の海上輸送ルートを使えない期間が長くありました。そのため、その2年間はポーランド、ハンガリー、ルーマニアなどの隣国へ鉄道やトラックを使っての代替輸送ルートが使用されました。

しかし、2024年は、黒海の海上輸送ルートの復活により、穀物をエジプトなどの諸外国に直接輸出することができるようになりました。よって、隣国への穀物等の輸出は激減しました。

下記の「ウクライナ、2024年の輸出および輸入総額が公開」および「ウクライナの2024年の輸入元相手国トップ10を紹介」の記事もぜひご覧ください:

ウクライナ国家統計局は2025年2月、2024年のウクライナの貿易統計の速報値を発表しました。2024年にウクライナは417億3310万ドル(約6兆2600億円、1ドル=150円)を輸出しました。これは前年に比較すると15.3%の増加になります。輸出が増加するのは2021年以来であり、ロシアによる全面侵攻後、初めて輸出が増加したことになります。
ウクライナ国家統計局は2025年2月、2024年のウクライナの貿易統計の速報値を発表しました。本記事では、この貿易統計に基づき、2024年にウクライナが主にどの国から何を輸入しているのかを見ていきま...