2022年2月に、日本郵便は日本からウクライナへの国際スピード郵便(EMS)の引き受けを停止しました。しかしながら、2025年3月現在、日本からウクライナにEMSで荷物を送ることが再び可能になっています。本記事では、EMSでの発送に関して詳しく解説してきます。

出典:https://www.post.japanpost.jp/bizpost/service/ems/index.html
国際郵便の料金・日数や発送諸条件を調べる
ウクライナへ日本から荷物を送るにあたり、郵便局が2025年3月現在対応している発送方法は、「通常郵便物(書留・保険付を含む)の航空扱い」、「小包郵便物の航空扱い」、「EMS」の3種類です。最新情報はこちらから確認できます。
- 郵便局の「料金・日数を調べる」ページを開きます
- 「1. 送るものの種類」にて物品を選択、「2. 送るものの重量を選択」で5キログラムと入力、「3. 差し出す都道府県を選択」を東京都とし、「4. お届け先の国・地域を選択」でウクライナを選択し、「計算結果を表示する」をクリックします
- EMSでの東京からウクライナへ5キロの小包を送る時にかかる料金は1万3000円ということがわかります。日数は表示されていませんが、2025年3月時点では1〜3週間ほどでウクライナに着くようです。
- EMSの料金表はこちらのページでも確認できます。ウクライナは第3地帯(オセアニア・カナダ・メキシコ・中近東・ヨーロッパ)に所属します。
- 国際郵便および航空便として送れないものはこちらから確認できます。また、ウクライナへ発送できないもの(禁制品)、配達条件(荷物の大きさや発送に必要な書類の種類など)はこちらから確認できます。

東京からウクライナへの5キロの小包のEMS発送料金 出典:https://www.post.japanpost.jp/cgi-charge/
送り状(ラベル)を作成する
ウクライナへEMSで荷物を送る場合、送り状(ラベル)をネットから作成し、印刷する必要があります。手書きでは送れません。詳しくは下記ページをご覧ください。
1)国際郵便マイページサービスにログインします。まだアカウントがない方は、作成しましょう。なお、アカウント作成後、12ヶ月ログインがないと、アカウントは削除されます。もし削除された人は、もう一度アカウントを作成する必要があります。

2)ログイン後、「送り状作成」をクリックします

3)「ご依頼主の入力」を選択します

4)依頼主(つまり差出人)の情報をすべてローマ字で記入し、「次へ」をクリックします

5)次に、「お届け先の入力」を選択し、受取人の情報をすべてローマ字で記入し、「次へ」をクリックします。なお、2025年3月現在、ロシアによる占領地域には荷物は送れません。また、ウクライナの支配領域下でも戦闘区域から近い地域への発送は断られる可能性があります。なお、受取人の電話番号の入力は必須項目ではありませんが、ここは記入すべきです。ウクライナの配達人がEMSを受取人の住所まで持ってくる際、不在だったり、建物に入れない場合、そこの電話番号に電話をかけれるようにするためです。

6)内容品を登録します。発送種別の選択から、一番適切なものを選びます。ここでは、「EMS(物品)」を選択します。

7)内容品の入力にて、内容品名、単価、原産国名、個数を記入し、「確定」を押します。内容品の英訳はこちらから調べることができます。単価のところは、EURにするのがいいでしょう(詳しくは後述)。ここでは袋麺(約450円 = 3 EUR)を20袋送るものとして記入し、「確定」ボタンを押します。なお、HSコードはウクライナへの発送の際は、記入は必須ではありません。

8)Ramen Noodleが追加されたことがわかります。他に荷物の中に入れるものがあれば、同じ容量で内容品を追加していきます。すべて追加したら、「内容品種別」を選択し、内容品総額(日本円換算)を記入し、チェックボタンにチェックを入れ、「次へ」を押します。

9)発送関連情報を記入していきます。「インボイス印刷指定」の欄は、「規定枚数印刷する」にチェックを入れておきます。これにより、既定の設定で自動的にウクライナへの発送の際に必要な枚数の税関告知書が作成されるようになります。「有償/無償」のところは、「贈物」として送る場合、「無償」を選択します。すべて記入したら「次へ」をクリックします。

10)「登録内容をご確認ください。」との画面が出るので、登録内容を確認し問題がなければ、「送り状を登録する」をクリックします。問題があるようなら、依頼主や受取人の情報などを修正してください。
11)「送り状の登録が完了しました。」の画面がでるので、そこの「注意事項に同意して送り状を印刷」から、送り状を印刷できます。または、ログインページのトップに戻り、そこの「発送予定データ」をクリックすることで、先ほど登録した送り状を修正または印刷することが可能です。

12)送り状の印刷を選択すると、送り状のほか、自動的に必要なすべての書類(税関申告書、インボイス、ご依頼主控、EMS受取書など)が表示されますので、それらをすべて印刷します。
13)印刷した書類と内容物を箱詰めした荷物を持って、EMSの発送に対応している郵便局に行き、EMSでの発送を依頼し、料金を支払います。なお、専用パウチ(送り状袋)は窓口で受け取り可能です。
14)荷物を発送後、送り状に記載されている「お問い合わせ番号(item number)」を、こちらのページの「配達状況を追跡する」に記入することで、荷物の配達状況を確認することができます。
注意点
日本から海外宛に荷物を送る際、荷物の内容物の合計価格が20万円を超える場合、荷物は通関保留扱いとなり、郵便局に一旦保管されます。差出人は、税関への輸出申告書を提出し、輸出の許可(通関手続き)をする必要があります。詳しくはこちらのページをご覧ください。
2025年3月現在、ウクライナに国外から送られてくる荷物の内容物の合計価格が150ユーロ相当を超えない金額の場合、輸入関税および消費税(付加価値税)はかかりません。しかしながら、もしその金額を超える場合、以下の計算式で、輸入関税および消費税がかかります。
例)内容物の合計価格が200ユーロの場合:
- (200 – 150) x 10% = 5ユーロ が輸入関税となる
- (200 – 150 + 5) x 20% = 11ユーロ がVAT(消費税)となる
つまり、これらの合計の16ユーロを税関に支払う必要があります。
なお、2025年現在、欧州ビジネス協会などのウクライナで事業を行う企業連合が、現在の150ユーロまでの輸入品に対する免税の廃止を求めています。これは、本来は1つの荷物を、複数の小包に分けて各小包を150ユーロ以下にし、免税を利用するケースが見られるからです。これによりビジネスでの不公平な競争が生まれており、またウクライナ側が本来徴収できたはずの税金を徴収できていない問題が発生しています。今後は、この150ユーロの制限が引き下げられる可能性がありますので、注意が必要です。
当サイト「ウクライナなび」では、ウクライナへの国際郵便の発送またはウクライナから日本への発送のサポートが可能です。ご興味のある方は、メールにてお問い合わせください。