【2025年3月現在】ウクライナの景況感指数、事業活動期待指数、消費者信頼感指数

ウクライナの現在の実際の景気動向を知るには、国の機関や民間会社が定期的に公表している様々な指標をチェックすることが有効です。本記事では、ウクライナの「景況感指数」、「事業活動期待指数」、「消費者信頼感指数」を見ていきます。

ウクライナの景況感指数

ウクライナの国家統計局が四半期ごとに発表する同国の「景況感指数」によると、2025年第1四半期の景況感は2025年3月10日時点では106.1ポイントであり、基準となる100ポイントを上回り「景気良好」を示しています。2020年以降の推移は以下の通りです:

出典:ウクライナ中銀のデータから作成

事業活動期待指数

ウクライナ中央銀行が毎月公表している「事業活動期待指数」(BAEI)によると、2025年2月の指数は46.9であり、前月の41から5.9%改善しました。改善に転じたのは4ヶ月ぶり。

業種別にみると、「工業」が50.2ポイントと、中立レベルを唯一上回りましたが、それ以外の「建設」、「商社」、「サービス」は50を下回りました。工業系企業は、商社需要の回復と生産の増加により、楽観的な評価になったものとみられます。また、商社は、国内需要の回復と商品の十分な供給により、前月に比べて評価を大幅に改善した模様です。建設は、建設工事の季節性や労働力不足を考慮して、慎重な評価を維持しています。サービスは、前月からわずか1.2ポイントの改善に留まっており、これは有能な人材の不足やの暖房代・電気代の事業費の増加によるものとされています。

ウクライナ中央銀行が2025年2月4日から21日まで行った2月の事業活動期待指数(BAEI)の調査には、521社が参加した。内訳は、調査対象企業は工業系が42.8%、サービス系が27.4%、商社系が24.8%、建設系が5.0%。また、回答企業の29.0%は大企業、26.3%は中規模企業、44.7%は小規模企業だった。なお、調査結果は回答者である企業経営者の意見のみを反映したものであり、ウクライナ中央銀行の評​​価を反映したものではない。

BIEA は、経済発展の傾向の運用評価と追跡のための指数であり、ウクライナの実体経済部門の企業を対象に、前月と比較した業績指標の変化に関する調査に基づいて算出される。指数値が50の場合、中立であり、それを超える場合、期待がプラスであるとみなされる。

出典:https://bank.gov.ua/ua/news/all/biznes-pidvischiv-otsinki-rezultativ-svoyeyi-diyalnosti–pidsumki-opituvannya-pidpriyemstv-u-lyutomu

消費者信頼感指数

ウクライナの民間調査会社Info Sapiensが毎月発表している同国の消費者信頼感指数(ІСН – ISN)によると、2025年1月の指数は前月から4.4ポイント上昇し、75.6ポイントだった。現状指数(ІПС – IPS)は6.4ポイント上昇し、57.9ポイントとなった。また、経済期待指数(ІЕО – IEO)も3.2ポイントの上昇し、87.4ポイントとなった。

ウクライナの消費者信頼間調査は、2000年6月からGfK Ukraineによって実施され、2019年からはLLC「INFO SAPIENS」によって実施されています。本調査は、ウクライナの16歳以上の1000人を対象に行われた。下記の質問に対する答えを元に、指標を算出している:

  • 過去6か月間で家族の経済状況はどのように変化しましたか?
  • 今後6か月間であなたの家族の経済状況はどのように変化すると思いますか?
  • 国全体の経済状況についてお聞きしますが、今後12か月間は国の経済にとって好ましい時期になると思いますか、それとも好ましくない時期になると思いますか?
  • 今後5年間は、国の経済にとって好ましい時期になると思いますか、それとも好ましくない時期になると思いますか?
  • 一般的に今は、家族のための大きな買い物をするのに良い時期だと思いますか、それとも悪い時期だと思いますか?

出典:https://www.sapiens.com.ua/ua/other-research-single-page?id=334