ウクライナ中央銀行(以下、中銀)は3月11日、2025年2月の同国のインフレ率(消費者物価指数)が前年同月比で13.4%増になったことを発表した。これは1月の12.9%を上回っており、2024年4月の3.2%を底として、10ヶ月連続の上昇となった。

項目別に見ると、
- 生鮮食品価格は13%の上昇。昨年の不作の影響が続いていることが影響した。また、食品の輸出が好調なため、豚肉、鶏肉、砂糖などは貿易相手国の価格に近づいた(価格が上昇した)。
- 加工食品は16.7%の上昇。食料原材料の価格上昇を背景に、電気代、人件費、物流費の上昇も影響。これらの結果、特にパン製品、油、肉、乳製品の価格が急騰した。
- 非食品価格は、4.4%と若干の上昇。
- 衣料や靴の価格は、昨年同月比で減少。
- サービス価格は、14.3%の上昇。医療、交通、通信、娯楽、文化サービスのコストが増加。
- 行政・規制監督関係の価格は、13.9%の上昇。
- 燃料も上昇。しかし、ガソリン供給が過剰だったことや、ガソリンスタンド間の競争、輸入供給における物流の最適化により、抑制された上昇となった。
昨年の農作物の不作の影響がまだ継続することと、エネルギー供給や人件費などの企業の生産コストの上昇のため、今後数ヶ月はインフレ率の増加は続く見通しだ。
また、変動が大き品目を除いて算出されるコアインフレ率は、2025年2月は前年同月比で12%の上昇となった。
ウクライナの年間インフレ率の推移
中銀によると、ウクライナの毎年のインフレ率(前年比)の推移は次のとおり:

ウクライナのコアインフレ率の推移

ウクライナの政策金利の推移およびウクライナの通貨フリヴニャのレートの推移については、下記を参照: