【2024年12月時点】ウクライナのEU、NATO、米国への態度に関する調査

ウクライナの人は、EUやNATO、米国に対して、どのように考えているのでしょうか。ウクライナの大手研究機関であるキーウ国際社会学研究所が2024年12月に調査を行いましたので、その結果を見ていきます。

EUに対しての信頼度

回答者のうち、EU(欧州連合)に対して、「完全に信頼する」が13%、「どちらかというと信頼する」が33%、「どちらかというと信頼しない」が10%、「全く信頼しない」が9%、「答えられない」が35%でした。また、地域別のデータでは若干の偏りがあり、ウクライナ西部の人の方がEUへの信頼感は高く、東部は信頼しない人が少し多いです。

NATOに対しての信頼度

回答者のうち、「完全に信頼する」と「どちらかというと信頼する」を合わせて43%であり、「どちらかというと信頼しない」と「全く信頼しない」を合わせた25%より多く、NATOを信頼するウクライナ人の方が多い結果となりました。EUと同じく、地域別でも偏りがあり、ウクライナ西部の人はNATOを信頼している人が多いですが、東部の人は、信頼している人と信頼していない人の割合が同等(おたがいに46%ずつ)でした。

アメリカに対しての信頼度

回答者のうち、「完全に信頼する」と「どちらかというと信頼する」を合わせて41%であり、「どちらかというと信頼しない」と「全く信頼しない」を合わせた24%より多く、米国を信頼するウクライナ人の方が多い結果となりました。こちらも、地域別でも偏りがあり、ウクライナ西部の人は米国を信頼している人が多いですが、東部の人は、信頼している人と信頼していない人の割合が同等(おたがいに38%ずつ)でした。

EUとNATO、ウクライナ人にとってより優先度が高いのは?

「EUへの加盟の方が優先度が高い」との回答が22%、「NATOへの加盟の方が優先度が高い」との回答が46%でした。ロシアとの戦争が続く中、ウクライナ人にとってはNATOに入り、安全を確保することの方に、よりプライオリティーを感じているのがわかります。

2024年9月の調査では

2024年9月の調査では、「ウクライナのEU加盟」に対して、ウクライナ全土では賛成が68%、反対が9%でした。また、「NATO加盟」に対して、賛成が68%、反対が10%でした

2024年5月の調査では

「2030年までにウクライナがEU加盟国になることを望むか」との設問に対し、ウクライナ全土で大多数の90%が「はい」と答えています。また、「2030年までにウクライナがNATO加盟国になることを望むか」との設問に対しても、ウクライナ全土の84%が「はい」と答えています。

2019年にウクライナの憲法には、EUおよびNATOを指向することが追記されたこともあり、ウクライナの人のEU・NATO指向は今後も大きくは変わらないことが予想されます。

本記事のデータの出典:https://kiis.com.ua/?lang=ukr&cat=reports&id=1468&page=3