ウクライナのGDP成長率の推移と予想
ウクライナ国家統計局の発表によると、2024年第3四半期の実質GDP成長率は前年比2.0%でした。これで、四半期ベースで6期連続でプラス成長となり、2022年のロシアによる全面侵攻からウクライナ経済が徐々に立ち直りつつのが見て取れます。

出典:https://stat.gov.ua/uk/news/zdiysneno-operatyvnu-otsinku-vvp-za-ii-kvartal-2024-roku
ウクライナ中銀の2025年1月30日発表のデータによると、ウクライナ中銀は2024年の成長率を3.4%、2025年を3.6%、2027年を4.2%と予想しています。
また、世界銀行の2025年1月16日発表のデータによると、戦争が継続すると仮定した場合において、2025年は2%の成長を見込み、停戦が実現したとして、2026年は7%の成長を見込んでいます。
また、欧州復興開発銀行が2025年2月27日に発表した「地域経済見通し」によると、ウクライナの2024年のGDP成長率を3%としました。また、2025年中に停戦合意がされる前提に基づき、2025年の成長率を3.5%、2026年を5%としました。前回の地域経済見通し(2024年9月発表)では、2025年の成長率を4.7%と予想しており、それよりも引き下げた格好です。
また、IMFの2024年12月時点でのデータでは、ウクライナはGDP成長率を2025年は2.5〜3.5%、2026年は5.3%と予想しています。
IMFによるウクライナのこれまでのGDP成長率の推移は下記の通りです:

出典:https://www.imf.org/external/datamapper/NGDP_RPCH@WEO/UKR
上記の通り、ウクライナは1990年代はソ連崩壊の混乱の中、経済はマイナス成長が続きました。2000年代になると経済が急激に成長をとげましたが、2008年のリーマンショックで冷や水を浴びた形です。その後持ち直したものの、2014年のマイダーン革命、クリミア危機、ドンバス成長で再びマイナス成長を記録。2022年はロシアによる全面侵攻で大幅なマイナス成長となりました。
ウクライナの一人当たりのGDPは?
IMFによると、2024年のウクライナの一人当たりGDPは5500ドルとし、前年の5240ドルから増加し、過去最高を記録しました。

出典:https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPDPC@WEO/UKR?zoom=UKR&highlight=UKR
2025年3月時点での上記データによると、2024年のGDPにてウクライナは141位につけています。