2025年2月18日に、アメリカのトランプ大統領が「ゼレンスキー大統領の支持率は4%」との発言がありました。「ウクライナなび」が、ウクライナの世論調査期間のゼレンスキー大統領のこれまでの支持率の推移に調べてみましたので、本記事でお伝えします。

キーウ国際社会学研究所によるゼレンスキー大統領の支持率の推移
キエフ国際社会学研究所(KIIS – Kyiv International Institute of Sociology)は、ウクライナの大手分析会社の一つです。KIISは1990年にウクライナ社会学協会の研究センターとして設立され、1992年から民間企業として運営されており、ウクライナの最高峰の大学「キーウ国立大学・モヒラ・アカデミー」などと連携しています。ウクライナの有力な世論調査機関として、多くの信頼を得ています。
KIISの2024年12月の最新の世論調査によると、「ヴォロディミル・ゼレンスキーをあなたどれくらい信用しますか?」との設問に対し、回答者の割合は以下のとおりです:
- 2019年8月:支持する80%、支持しない9%、答えられない11% ー 2019年5月に大統領就任
- 2022年2月:支持する37%、支持しない52%、答えられない11% ー ロシアによる大規模侵攻前
- 2022年5月:支持する90%、支持しない7%、答えられない3%
- 2023年12月:支持する77%、支持しない22%、答えられない1%
- 2024年12月:支持する52%、支持しない39%、答えられない9%

出典:https://kiis.com.ua/?lang=eng&cat=reports&id=1466&page=2
上記の通り、2019年5月に大統領就任した直後の世論調査では支持率が80%ありましたが、2022年2月のロシアによる全面侵攻直前は支持率は37%まで低下。その後、戦争開始後の大統領のリーダーシップもあり、2022年5月には支持率は驚異の90%まで上がりました。直前の調査結果では、支持率は52%まで下がってきましたが、それでもまだ国民の過半数の支持は確保しているようです。
ラズムコフ・センターによるゼレンスキー大統領の支持率の推移
ラズムコフ・センターは1994年に設立された、ウクライナの有力な世論調査機関です。こちらも定期的に大統領の支持率等に関する世論調査を発表しています。最新の調査結果は、こちらから確認できます。

これによると、ゼレンスキー大統領の支持率は、2021年8月には33%と落ち込んでいましたが、戦争開始後の2022年10月には82%まで回復、その後、高い水準を維持しつつも、2023年の終わり頃から徐々に下がり始め、2024年9月の調査では支持率は51%となっています。
結論
2022年2月のロシアによる全面侵攻開始後、ゼレンスキー大統領はウクライナにて非常に高い支持率を得ました。依然として2025年2月現在においても国民の半分近い支持を得ています。しかしながら支持率が徐々に下がり続けているのは確かであり、戦争開始から3年がたち、ウクライナ国民の疲労感も溜まる中、ゼレンスキー大統領としては国民からの指示をどのように維持・回復させるかが求められつつあります。